粉ミルクの調乳に使う水 ― 水道水でいい理由と手順
前提:粉ミルクは無菌ではない
粉ミルクの缶の中には、まれに菌(サカザキ菌、サルモネラ)が残っていることがあります。 免疫の弱い新生児では重い感染につながり得るため、WHO/FAOと厚労省は 70℃以上のお湯で調乳することを推奨しています。この一手間で菌はほぼ死滅します。
標準的な手順
- 手を洗い、哺乳びん・乳首を洗浄・消毒する。
- 一度沸騰させたお湯を70℃以上に保って(沸騰後30分以内)、できあがり量の1/2〜2/3を哺乳びんに入れる。
- 規定量の粉ミルクを加えて溶かす。
- 残りのお湯(同じく沸かしたもの)を加えて調整。
- 流水または氷水で人肌(40℃程度)まで急冷。腕の内側に垂らして確認。
- 調乳から2時間以内に飲ませる。残りは捨てる。
湯冷ましを併用すると冷ます時間を短縮できます → 湯冷ましの作り方
どの水を使うか
| 水 | 使えるか | 注意 |
|---|---|---|
| 水道水 | ○ | 一度沸かす。朝いちは少し流してから。日本の水道水は軟水で問題なし |
| 軟水のミネラルウォーター(硬度60以下) | ○ | 「調乳用」「赤ちゃん用」表記が目安。開封後は冷蔵で早めに |
| RO水・ピュアウォーター | ○ | ミネラルほぼゼロ。調乳に向く |
| 硬水(コントレックス等) | × | ミネラル過多で腎臓に負担 |
| 炭酸水・お茶・ジュース | × | 論外 |
| ウォーターサーバーの水 | ○ | 天然水なら軟水のものを。70℃以上で出るかを確認(多くは80〜90℃)。それでも一度沸かした水源であること |
ウォーターサーバーの温水は「調乳ボタン」など適温設定がある機種もあります。詳細は 赤ちゃんとウォーターサーバー。
ラクをしたいなら液体ミルク
乳児用液体ミルクは調乳不要で、常温でそのまま飲ませられます(開封後はすぐ使い切る)。 水も熱源もいらないので、夜間・外出・災害時に強い。 コストは粉より高いので、平常時は粉、しんどい時間帯や非常時は液体、という併用が現実的です。
やりがちな失敗
- 70℃を面倒がってぬるいお湯で溶かす → 殺菌の意味がなくなる。
- 冷ますのが待てず、熱いまま飲ませる → 口内をやけど。必ず人肌に。
- 作り置きして冷蔵庫にストック → 2時間ルールを守る。まとめ作りしない。
- 硬度を見ずに「ミネラルウォーターだから体にいい」と硬水を使う → 逆効果。
迷ったら 赤ちゃんにウォーターサーバーは必要か と 飲み水の選び方ガイド もどうぞ。