MIZULAB / 選び方ガイド
浄水器のフィルター性能を比べる|ろ材・除去物質・寿命の読み方
フィルターを理解する

「活性炭入り」「5層フィルター」「15物質除去」。いずれもフィルターの説明ですが、表している内容は違います。中に何が入っているか、何を除去する試験をしたか、何Lまで使えるかの3つに分けると、価格差の理由を比べやすくなります。
ろ材は、役割の違う道具の組み合わせ
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| ろ材・部材 | 主な役割 | 材料名だけでは分からないこと |
|---|---|---|
| 不織布・メッシュ | 粒子状のゴミを物理的に捕らえる。前処理にも使われる | 捕らえられる粒径、塩素や溶解した成分の除去能力 |
| 活性炭 | 吸着や反応によって塩素、においの原因などを低減する | ろ材量や接触時間で性能が変わる。全製品が同じ物質を同じ量まで取れるわけではない |
| 中空糸膜 | 中が空洞の繊維にある細かな孔で、濁りなどの粒子を分ける | 溶けた物質をすべて取る膜ではない。除菌や粒径の条件は製品の試験表示で確認 |
| イオン交換体 | 特定のイオンを交換する。鉛除去や硬度調整など、用途に合う設計がある | どのイオンをどれだけ交換するか。配合されていれば一律に軟水になるとは限らない |
| ゼオライト・セラミックなど | 素材や加工に応じた役割を持つ。製品ごとの説明が必要 | 「天然石」「鉱石」などの名称だけでは、飲用時の効果や除去率は決められない |
たとえば東レMK207SLXは活性炭・中空糸膜・イオン交換体の組み合わせ。PT307SLVは活性炭・イオン交換体です。同じメーカーでも構成は違います。ブリタのマクストラプロ ピュアパフォーマンスは、活性炭に加えてイオン交換樹脂やメッシュの役割を案内しています。
中空糸膜は粒子を分け、活性炭は吸着などを利用するため、両方を組み合わせる意味があります。ただしフィルターが多いほど、すべての物質に強いわけではありません。完成品の性能表へ戻って確認することが必要です。
百均の蛇口フィルターは、何を確かめればよい?
ダイソーの小型3種は、ヤシ殻活性炭入り、ゼオライト入り、樹脂フィルターの製品が混在しています。クリアフィルター蛇口の「約48µm以上の粒子」という説明は、粒子の大きさに関する表示です。溶けている塩素やPFOS/PFOAまで同じように除去する、という意味ではありません。
ダイソー、キャンドゥ、ボンスター、アクアタップの掲載品は、商品ごとに確認できた材料・ゴミ取りなどの説明を個別ページへ記載しています。確認した公式資料に物質別の除去率と総ろ過水量が見つからない製品は、数値を確認できないとしています。「効果ゼロ」と断定することも、「活性炭だから80%以上」と補うこともできません。
簡易的な浄水器でも、試験結果がある製品は別に比べる
同じクリタックでも、ロカシャワー3種は対象物質と総ろ過水量が公表されています。CP3は遊離残留塩素・CAT・2-MIBの3項目で1,000L、MX1は遊離残留塩素で3,700L、HP15は15物質で900L。いずれも表示された除去率80%の条件とセットです。
塩素の除去を長く続けたいならMX1の条件を、ほかの物質も確認したいならCP3・HP15の対象一覧を読む、という比較になります。MX1の水量が最大だから他の2機種よりあらゆる面で高性能、という並べ方はできません。
塩素・鉛・PFOS/PFOAを、別々に読む
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| 確認したいもの | 性能表で探す表記 | 混同しやすいもの |
|---|---|---|
| カルキ臭 | 遊離残留塩素 | においが気にならないことだけでは、ほかの物質の除去を確かめられない |
| カビ臭 | 2-MIB、ジェオスミンなど | カビ臭の原因物質と、カビそのもの・微生物の除去は違う |
| 水に溶けた鉛 | 溶解性鉛 | 鉄サビや粒子を捕らえる表示では代用できない |
| トリハロメタン | 総トリハロメタンと各成分の条件 | 合計と内訳が表示されることがあり、物質数の数え方に注意 |
| 有機フッ素化合物 | PFOS及びPFOA、試験規格、総ろ過水量 | PFAS全種類の除去を意味しない |
掲載した蛇口直結型・ポット型にはPFOS/PFOAの除去試験を案内する製品があります。一方、簡易蛇口フィルターで同じ表示を確認できない場合は、性能があると推測しません。水道水そのものの検査結果を知りたいときは、地域の水道事業者の公表値と機器の性能表を分けて確認します。
「80%」と「ろ過流量50%」は、違う読み方
除去率80%は、対象物質と総ろ過水量を比べるための条件です。新品がいつも80%しか除去しない、という意味ではありません。消費者庁のQ&Aも、比較できるよう同じ除去率条件で表示すると説明しています。
一方、MK207SLXなどの「濁り」の欄には、総ろ過水量と**ろ過流量50%**が記載されています。これは「濁りを50%だけ取る」という除去率の表示ではなく、流量が低下する条件に関する表示です。ほかの物質の除去率80%と同じ数字の軸で順位を付けないようにしましょう。
長寿命でも、対象物質によって交換量が違う
TK-CJ24では、遊離残留塩素などは4,000L、クロロホルムと1,2-DCEは2,000Lという条件です。1日10Lでその2物質の除去を目的とする場合は、約6か月が案内されています。「約1年」という見出しだけで費用を計算すると、必要な交換回数を少なく見積もってしまいます。
SSX880も、取扱説明書の残留塩素35,000Lとクロロホルム8,000Lは別の値です。交換目安12か月は1日20L・クロロホルム基準。最大の数字だけを取り出して寿命を延ばしてはいけません。
水を速く出せば、同じ性能で使える?
ろ過流量は1分間に処理できる量の仕様です。水圧や目詰まりで変わり、規定を超える流量で流すと性能が十分に発揮されない場合があります。CSP901の説明書は適正流量表示に従って水量を減らすよう案内しています。少し遅くなったから蛇口を全開にする、という対処だけでは解決しません。
残量表示・月表示は交換を助ける機能であり、水質を測定する検査装置ではありません。見た目が透明、味がよい、表示が残っている、という理由だけで使用期限を延長しないようにします。
性能を保つために守ること
水道水など、製品が指定した原水で使います。井戸水・川の水・海水を、家庭用浄水器に通すだけで飲めるとは考えません。温度上限は浄水と原水で違う場合があり、同じ蛇口の製品でも35℃・45℃などの条件を他機種から借りないことが大切です。
使い始めの通水、交換後の準備、冷蔵・使い切りの時間、長期不使用後の処置は説明書に従います。フィルターを洗えば吸着能力が新品同様に戻るわけではありません。交換費用の計算では、本体代に加えて交換量と期間の両方を確認できます。

